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子どもエッセイ

子ども・子育て新システム

2012/02/06

先週末、大阪で開催されたのは、表題に関係するセミナーだったわけですが、現時点では中間とりまとめが行われた段階です。平成25年度の施行を目処に、早急な法案作成と国会提出が進められています。

この新システムの導入に伴い、かねてより話題になっていた幼保一元化に一歩踏み出すことになるわけですが、この新システムのそもそもの目的は、すべての子どもへの質の高い成長環境を保障し、子どもと子育て家庭を社会全体で支援することにあります。

現代社会の情勢ですと、子どもがいる家庭ほど生活が苦しかったり、親になった瞬間から、ひとりの人間としての部分を削らなければいけなかったりと、楽しく子育てできるような環境には到底ありません。家庭の中がギスギスすれば、もちろん、子どもが幸福感を味わえるわけもありません。

それだけ日本という国全体が、余裕がない証拠でしょうね。

ずいぶん子育て家庭や子育て中の親に優しくなったとはいえ、まだまだ主に子どもを育児する母親の負担は大きく、また、母親だけに育児の責任や労力が集中しているのも否定できない事実です。

子どもを大事にするということをできないおとなが多すぎる気がしますが(自分の子どもでさえも)、将来的に、今の子ども達が日本を支えていくわけです。日本を支えていく子ども達を大事にすることが、自分達の将来を安定させるためでもあるということは考えず、目の前の自分のことだけを考えるおとなが多すぎますね。

現代社会で問題にされている高齢者の虐待や、高齢者の孤独死など、これまで日本が「子ども」というものを大事にしてこなかったしっぺ返しの部分もあるような気がしてなりません。

確かに、システムが変わったからと言ってすぐに何かしらの結果が出るわけではありませんが、何も動かなければ何も変わりません。

時間がかかったとしても、今回の新システム導入で、ひとりでも多くの子どもが希望を持てるような環境に生き、ひとつでも多くの子育て家庭が楽しんで育児ができるようになってほしいと思います。

ちなみに、今回の新システムの構築にあたっては、大きく3つの部門に渡ってワーキングチームを構成してあり、それぞれ有識者をその構成員においてあります。

基本制度に関するチーム、幼保一体に関するチーム、子ども指針(仮称)に関するチームに分かれて、それぞれ数年前から検討会を何度も開き、新システム導入へ向けて取り組んでいます。

(この子ども指針のワーキングチームの構成員である藤森平司氏(全国私立保育園連盟保育・子育て総合研究機構研究企画委員、新宿せいが保育園園長)をお迎えして、来年度、当園の60周年記念講演においてご講義いただく予定になっています。詳細は後日、関係各位宛にご案内差し上げる予定です。)

 

 

 

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