生まれたての赤ちゃんは、何もわからない・できないと思われることが多くあります。
しかし、最近の赤ちゃん学の進歩によって、様々なことがわかってきています。
その中のひとつに、「弁別」が挙げられます。
弁別とは、簡単に言えば、「区別すること」です。
生まれたての赤ちゃんは、聴覚がないと思われがちですが、実は、胎内にいるときから聴覚は発達しています。ですので、生まれたての赤ちゃんでも、母親と、母親とは違う女性との声の区別をつけることができます。
そして、もちろん、胎内で聞きなれている母親の声を好むわけです。
これがいわゆる「選好」と言われるものです。
このように、生まれたての赤ちゃんでも、弁別と選好の機能が備わっているわけです。
そして、何を好むかは、胎内での環境や、本来その子が持つ気質などにも左右されます。
発達するということが、「不必要な物を削っていく作業」であることは、以前のブログにも記しました。
子どもが生きていく中で、自分にとって必要なものとそうでないものとを区別し、必要ないものは捨てていくのが「発達」です。
そして、「何を残していくか」というのは、本来その子どもが持つ気質と、環境に大きく左右されるわけです。
年々人口が減っていく日本で、子どもたちに何を残していくか、どのようなおとなになってほしいのか。
世界的にも少子高齢化が進む中、人類にとって必要なものは何なのか。
それらのことを踏まえながら、子どもの発達を捉えていかなければいけないのではないかと強く思います。