胎児とは、読んで字のごとく、母親の胎内にいる子どものことです。
この胎児を、「ひとりの人間」と認めるか否かは、国によって違います。
例えば、ローマやスイスの民法では、胎内にいる状態でも「生を受けたひとりの人間」とみなし、法的な権利も生じます。
逆に、フランスやドイツ、日本などでは、生まれてから初めて、「生を受けたひとりの人間」とみなし、法的な権利等は、出生後に生じます。
胎内にいる状態ですと、目の前で見ることはできませんから、実感が湧きづらいのでしょうか。
ただ、近代の科学の進歩により、胎内の赤ちゃんの映像を3Dではっきりと確認できるようになっていますから、昔に比べれば、「目に見える」と言えます。
私は、どちらかといえば、胎内にいる状態でも「ひとりの人間」とみなす方に共感できます。
というのも、胎内にいるかいないかの違いだけで、「ひとつの命」であることに変わりはありませんから。
近年では、各国の赤ちゃんの研究が進んできていて、胎内の赤ちゃんのいろんなことがわかってきています。
そのことに伴い、赤ちゃんの研究に携わる様々な学会では、胎内にいるときから赤ちゃんを「ひとりの人間」とみなす傾向が一般的になってきているそうです。