言葉は、人間だけが獲得したものです。
チンパンジーは、単語は獲得できても、それらを組み合わせて文章にすることはできません。
ですので、ことばを使って他者とコミュニケーションを取ることはできません。
人間が自在に操ることができることばの役割は、実は思う以上にたくさんあります。
他人とのコミュニケーションはもちろん、自らの思考、自分の行為・活動の調整、自己表現、自我の形成などなど、実に多岐にわたります。
わたしたちは、ことばを使って様々な人間活動を行っているわけです。
何かを考えるときも、行動するときも、自分という一人の人間を形成するときも、そこで使用する尾はことばなんですね。
立ち止まって、自分の行動を振り返ってみてください。
今日何をしたか思い出してみてください。
ことばを使って思い出そうとしていることが分かると思います。
自我の形成にも必要不可欠なことばですが、例えば、バイリンガルの子どもは、2つの言語をを自在に操りますが、どちらかの言語に優位性を持たせています。つまり、第1言語を自然に決めているわけです。
これがとても重要で、どちらの言語にも優位性を持たせずに、まったく同様に使用していると、自我の形成に悪影響を及ぼし、人格が分裂してしまうという報告があるそうです。
それほどまでに、私たちは、ことばを基本として生きているということですね。