日々の保育の繰り返しの中で、保育者は様々な悩みや疑問、迷いにぶつかります。
子どもひとりひとりの個性が違うため、他の子どもでは通用することが、こっちの子どもには通用しなかったり、自分の行動が、果たして正しいのかどうか、などなど・・・。
目の前のことだけに囚われすぎると、大きな視野で物事を見れなくなって、ついつい目先のことだけを考えた行動をとってしまいがちです。
そんなとき、ふと立ち止まって、何を基準に考えていくかというと、やはりそれは「子ども」です。
壁にぶつかったときに、「子どもにとってどうなのか」ということを基準に置くことで、道が開けてくることがほとんどです。
私たちが日々行っている「保育」という仕事は、「答え」を探すものではなく、ひとりひとりの子供の今後の「道筋」を直接的間接的に照らし出す仕事です。
おとなの都合や思い込みで保育を行ってしまうと、そこにいる子ども達の未来の「選択肢」が狭まってしまいます。
「今」はよくても、「数年後」に、歪んだ形となって保育の弊害が現れてしまうことも十分に予想できます。
ですから、日々の保育を行うときに、絶対にブレさせてはいけないものは、基準を「子ども」にすることなんですね。
これがブレてしまうと、そこにいる子どもも迷ってしまいますし、園を信頼してくれている保護者も迷ってしまいます。
この基準は、その園の「理念」と呼ぶべきものだと思うのですが、「理念」だけは、どんなことがあっても、絶対に曲げてはいけないものではないでしょうか。
そして、その時代や地域性などに合わせて柔軟に対応できるものでなくてはいけないのではないかと思います。