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子どもエッセイ

2pac

2012/07/26

数年前のお話ですが、一時期、ローマ法王がヒップホップを聴いているとの話題が上りました。

バチカンのローマ法王庁で決められている関連施設で流される音楽のリストの中に、今は亡き、「2pac」というヒップホップアーティストの「changes」が入っていたとのこと。

ローマ法王庁での取り決めはご存知の通り、かなり厳格なもので、関連施設で流される音楽もほとんどが宗教音楽やクラシックです。

その中での2パックですから、これは目を引きますね。

2パックと言えば、今の保護者の世代なら知っている人もいるかもしれませんが、ギャング同士の抗争で、若い頃に命を落としています。

マンハッタンのハーレム出身の彼は、いわゆるスラム街で育ち、かつ黒人であったために、理不尽な目にも多く遭ってきたようです。

数々の悪名を轟かせていたようですが、彼が黒人であることや、出身がスラム街であることで、冤罪に近いことも多くあったのではないかと個人的には思っています。

そんな彼の「chenges」という曲が、ローマ法王庁の関連施設に流れているのですから、これまた2度ビックリですよね。

ただ、曲がヒップホップであることとか、彼がギャングの一員であることとかは置いておいて、歌詞を見ると、「世の中の真実」が見えてくる名曲です。

ローマ法王が、虐げられた人生を送ってきた当事者による「生の声」に心を動かされ、深く感銘を受けたとしても、不思議ではないと思います。

宗教に関して、話をするのは色んな問題を含んでいますから、あまり軽々しく口にするものではないのかもしれませんが、願いをかなえるだとか、色んな欲を満たすためのものでなく、宗教とは本来は、「心のよりどころ」となるものであると思っています。

どんな人でも平等に「心のよりどころ」にできるのが、本来の宗教の姿であると思っていますので、厳格なローマ法王が、2パックのこの曲に、宗教の本来の姿を見出したことには、原点回帰に近いのではないかと個人的にはちょっと感銘を受けたニュースでした。

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