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子どもエッセイ

ごめんなさいという言葉

2012/07/11

子ども同士がケンカをしたとき、私は必ずしも「ごめんなさい」という言葉を言わせることが最終的な目標ではなくていいと思います。

どうしてケンカになったのか、互いに理由があるはずですから、互いの気持ちを聞くことや、ケンカになってしまう前にどのような対処をした方がよかったのかを考えさせることの方が重要だと思っています。

よく、「ごめんなさい」を言わせる保育者がいますよね。

私はそういう姿を見ると、なんのために言わせているんだろうと不思議に思います。

その「ごめんなさい」が子ども自らが考え、自分の悪かったところを本当に理解して発した言葉ならば、いいと思いますが、どうも多くの子どもが、「ごめんなさいと言えば終わり」と思っている気がします。

「ごめんなさいと言えば終わり」ということは、つまり、何がどう悪かったのかとかは考えずに、嫌なことを魔法の言葉で終わらせる方法をマニュアルとして覚えているだけにすぎません。

それに、往々にして、ケンカの当事者同士の子どもは、それぞれ自分の気持ちを受け止めてもらわないことには自分の行動を振り返ることはできません。

そして、自分の気持ちを十分に受け止めてくれたと子どもが感じると、必ずしもごめんなさいとかいう言葉は必要じゃなくなってくるものなんですよね。

 

確かにケンカはできるだけしない方がいいです。

ですが、ケンカを思い切りしたことない子どもが、ケンカの何がいけないのか、は一生理解できません。

そして、互いに心身ともに傷が残りにくい乳幼児期の初期だからこそ、ケンカの何がいけないのかを学ぶ期間だと思います。

その第一歩が、未満児における噛みつきや物の取り合いなどに当てはまるのだと思います。

 

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