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子どもエッセイ

オープン保育

2012/05/29

 大学や専門学校など、オープンキャンパスと言って、受験や入学前に事前にその学校を体験できる場を設けています。

園が所属している保育環境研究所ギビングツリー(藤森平司氏代表)においても、同じような趣旨で「オープン保育」というものを実施しています。

 その趣旨は、次の通りです。

「子ども主体の保育、環境を通した保育、保育所保育指針、幼稚園教育要領を具現化した保育の実際に触れてもらい、養成校での学びの一助にしてもらう。学生さん自身で保育の面白さ・保育の楽しさに実際に触れてもらい、保育観、子ども観、保育士像をみつけていく機会として活用してもらうと同時に、実習先や就職先の選択の参考にしてもらう」

 上記の趣旨で、平成24年7月1日~11月30日の5ヶ月間の期間で今年度は行います。もちろん、この時期以外での受け入れも園によっては可能になります。

 この取組みは、昨年度から行っているのですが、これには、いくつかの理由があります。

 保育士さんは、最初に勤めた園が「すべて」になってしまうことが多く、勤めた園によっては、保育の面白さや楽しさに気づけないまま、保育とは辛く大変なものだという認識でやめてしまうことが多くあります。

 毎年、3万人の保育士さんが生まれるのに対し、毎年保育士さんを辞めてしまう人も3万人います。

 確かに、どうにもならない事情で辞めざるを得ない人もいるとは思いますが、ほとんどの人が保育に失望して辞めてしまうのです。

 また、保育とは本来、とても楽しいものでとてもやりがいのあるものなのですが、「保育」の本質をわからないまま、いわゆる「こうあるべきだ」という「義務的な保育」が正しい保育との誤った保育観を持つ園が多いことも理由のひとつだと思います。

 保護者などからのクレームなどで精神的に追い詰められてしまう保育士さんや、日々の保育やその準備のために、毎日夜中近くまで残業が続き、肉体的な疲労が重なってしまう保育士さんは、現代では決して珍しくありません。

 保育は決して簡単な仕事ではありません。

 ですが、辛い仕事でもありません。

 保育士を目指す学生さん達が、保育を楽しんでいる園に触れることで、本来の保育の姿を経験し、保育という仕事に誇りを持って生きていけるよう、その手助けが少しでもできればいいなぁと思います。

 世の中に「ブラック企業」と言われるものがあるように、「ブラック園」というものが存在しているのは、残念ながら事実ですからねえ(笑

 そういうところを最初に経験してしまった保育士さんは、不幸としかいいようがないですね・・・。

 もちろん、うちの園が誰にとってもいい所かと言われれば、そうではないですし、合う合わないの相性の問題もあるとは思いますが、「ブラック園」には絶対に成り下がりたくはないですね(笑

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