2泊3日の出張を終え、羽田から福岡へ飛び立つ機体に乗り込むときに
「あれ?」
と違和感を覚えました。
ふと機体を見ると、そこには「ANA」ではなく「全日空」の文字が!
しかも見慣れている青色のラインではなく、水色のラインが!!!!!
違和感を感じるのは当たり前で、私が乗り込んだ機体は、ANAが創立記念日に復刻版機体デザインを施した「モヒカンジェット」だったのです。
モヒカンジェットは、1969年5月の1番塗装機以降、1989年3月の最終機の運航に至るまで約20年間、日本の空を就航し、垂直尾翼には、レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプターの図案をモチーフにしたANAの社章も塗装されていました。
就航期間は、日本経済の高度経済成長期であり、大阪万国博覧会(1970年開催)、時代の象徴でもあった宮崎、鹿児島への新婚旅行など、航空機でのご旅行が一般的となった時代です。このモヒカンジェットは、純民間航空会社として創業したANAの事業拡大期の象徴でもあったそうです。
デザイン開始後40周年を迎える中、「航空機での旅行に多くの夢があった当時を思い出して頂き飛行機でのご旅行を楽しんで頂くと共に、社員としては、初心に立ち戻る象徴に!」という社員提案があり、ボーイング767型機での復活となったそうです。
私が小さい頃、母方の実家である宮崎などへ行く際に、空港でよく目にしていた機体だったのですが、当時の記憶が曖昧な中でも、この機体のデザインだけは覚えています。当時、私の目にとてもスタイリッシュでお洒落な機体だったんですよね。
ある意味、憧れでもあったその機体に、まさかこの年になって乗ることができるなんて夢にも思ってみませんでした。
もちろん、塗装のみ復刻版というだけで、内装や機体そのもののシステム等は、現在の最新の設備です。
ただ、やはり見た目が古いもの(の復刻ですが)ですので、不安に思われるお客様が多かったのかもしれません。気流が不安定で機体の揺れが激しかったときに、機長からのアナウンスで
「機体が故障することはありませんのでご安心ください」
と、一言付け加えられたときには、思わず笑ってしまいました(笑。