ある日の午後、おともだちの手が目にあたり、看護室で休んでいたTくんのお話です。
最初、目を真っ赤にして泣いていたTくんでしたが、20分もするといつもの元気をとりもどしてきました。
Tくんは私に“かいけつゾロリ”の登場人物の説明をしたあと、あるものを見つけて目を輝かせました。
それはいつか捨てようと積んでいた発砲スチロール。
「先生、これもらってもいい?」
「いいよ。」
「僕、廃材係ちゃん!」(廃材を集める人のようです)
次の日、廃材で作った作品を並べる棚には、杵とうす(おもちつき)に形を変えた発砲スチロールがありました。
子どもたちにかかると、廃材も宝物になるのですね。
看護師 そのだ