認可保育所では、厚生労働省より発布されている「保育所保育指針」において、いろいろなことが義務付けられています。
その中に、「自己評価」があります。
これは、自分の園の保育や保育者を振り返り、よりよい保育を目指すためのものであり、課題や問題点を発見し認識するためでもあります。
保育園だけに限らず、「組織」というものは、下手をすると閉塞的になりやすく、慣れが悪い方へ働き、ただのルーティンワークを繰り返すだけの日々になりがちです。
そういったことを防ぐためにも、自己評価は、それぞれが「自分なりの何か」を「意識」できるツールのひとつであるといえます。
うちの園でも、月に1度、保育環境や保育者のあり方などを、各自でチェックしています。
その月の反省点と次に生かすためにどうするかを考えるきっかけになっています。
チェック項目は、各園によって違うのですが、保育者に関してのうちの場合は、「子どもをひとりの人間とみなした態度で臨んだかどうか」や「保育者間のコミュニケーションが十分であったかどうか」「保育に関係することを何かしら学んだかどうか」など、保育に関して必要不可欠な項目を10項目くらい作っています。
熊本県の城山保育園さんでは、その自己評価のチェック項目のひとつに、「わかった気になっていないか」というものがあるそうです。
これは専門職についている人間すべてに当てはまる項目だと思います。
専門的な仕事をしている人間は、年数が経ってくると、中身があまり伴っていなくても「わかった」気になりがちなんですね。
20年保育者として子どもに携わっていても、子どもの心理や行動など理解していない保育者もいますし、「自分はベテラン」だと豪語するくせに、やっている保育は何十年も前の戦後教育だったり・・・。
時代の流れとともに、子どもを取り巻く環境は変化していきますから、子どもの姿が変化していくのは当然のことなんですけどね。
どの職業においても、共通して言えることだと思うのですが、「わかった気」になってしまった時点で、「終わり」ではないでしょうか。
「わからない」と感じるからこそ、「わかりたい」と思って何かを学ぼうとするものです。
「わかった気」にはなりたくないものですね。