世の中には男性と女性がいます。
男性と女性では、その持っている「人権」という点や「ヒト」という動物の一種である点などでは同じ人間ですが、性差があることは否定できません。
外見はもちろん、内臓も違いますし、最近の脳科学の研究によれば、脳の構造なども違いが有るようです。
その性差に早くから注目していたのが、アメリカの医療です。
1990年代より、アメリカを中心に、「性差医療」という新しい医学・医療の流れが始まりました。
これは男女の性差に着目して、医療に生かすものです。
骨の構造や痛みの感覚、薬の代謝、病気の発症率やその症状・原因・治療法も、男女の間では違いがあるとの研究結果が出ています。
実は、世の中の医療は、成人男性を基準にされていて、薬の量や治療方法などは、一般的な成人男性を基準にしたものです。
ですので、そこに男女の違いは考慮されておらず、どうしても、女性は、何かしらの不都合を感じることが多々出てきます。
アメリカでは医療がとても進んでいますので、薬ひとつ、治療法ひとつでも、男性には男性の、女性には女性の性に合ったものを選択することが多くあります。
この「性差医療」によって、これまで、薬が合わなかった女性も、自分に合った薬を服用することが可能になりました。
女性の場合は、漢方を中心に処方されることが多いらしいのですが、このあたりも女性特有の臓器である子宮を持っていることなどの性差が関係しているのだと思います。
日本でも、近年、女性外来などの女性専用の外来を設ける医療機関が増えてきてはいますが、やはりまだまだ性差は蔑ろにされがちのようです。
病気をしない身体作りを行うことが一番重要なのですが、やはり年を重ねるごとに、何かしらの病気はつきものです。
自分が病気になったときなど、本当に自分に合った治療法を見つけ、治療を進められることは、最低限保障してもらいたいことのひとつだと思います。
日本でも今後、性差医療が進み、個々人に合った医療を受けることができる環境が整備されるといいですね。