前回、睡眠障害の話に触れましたが、今回は、睡眠障害によって引き起こされる様々な症状について触れたいと思います。
たかが「睡眠」と思われがちですが、人間は眠っている間に脳を始め、胎内のあらゆる器官のリフレッシュを図ります。
熟睡できた日の朝は、気持ちがいいと感じることは、上記の機能によるものです。
睡眠の質が下がったり、時間が短すぎたりすると、このリフレッシュがうまくできずに、「疲労」が溜まっていきます。
この「疲労」も、日本人は特に、「たかが疲労」と思いがちですね。
疲れていること=頑張っていてエライ、という意識が強いですからね。
ですが、「疲労」は、様々な症状を起こし、病気を引き起こします。
脳機能が低下することはもちろんですが、貧血やめまい、手足のふるえ、だるさ、意欲低下、うつ症状、食欲不振、などといった自律神経の乱れから起こる症状も生まれます。
初期の内に対策を練れば、改善はすぐできるのですが、たいていの人は「それくらい」と思って何の対策もせずに放置します。そして、気づいた時には改善ができにくい状況に陥ってしまいます。
例えば、不登校や引きこもりなども、睡眠障害によって引き起こされることがあります。慢性疲労症候群や、ホルモンバランスの乱れによる成長阻害、衝動性、多動性、学業不振なども同様です。
風邪や感染症などと違って、例えば熱が出るなどの症状が目に見える形ではないため、ただの「なまけ」や「わがまま」と短絡的に判断されて叱責されるだけに終わってしまう症状ばかりです。
もちろん、子どもが出す症状は、多角的に原因を探ることが必要です。
すべてが安直に睡眠障害によるものとは言いきれませんが、もし、睡眠に乱れがある場合は、生活リズムの見直しをやってみる価値はあると思います。
早期に症状改善に取り組めば、余計な副次的な症状を生み出すことは避けられます。
家族全員で就寝時間を見直してみたり、照明を蛍光灯から白熱灯に変える、21時以降は外出しない、ベッドの中でスマホやタブレットを見ない、ぬるめのお湯にゆっくりつかる、などなど、少しの我慢と少しの工夫で改善ができます。
確かに、現代は、やたらと忙しなく、仕事に追われがちです。
家庭の努力だけでどうにかできる問題とも言いきれない部分がたくさんあります。
誰も完璧にはできません。
ただ、少し何かに取り組むことは可能です。その少しの取り組みで、何かが少し良くなるのなら、やってみない手はありませんよね。