先日、ようやくドイツ研修の報告書を作成し終えました。
8日間で撮った写真は600枚以上です。
写真のプリントアウトだけでは分かりづらいため、1枚ずつ、園ごとに、コメントを記入して、すぐにでも実践できるような報告書にしようと思い作成したのですが、A4の用紙100枚以上になってしまいました。
作るのも大変でしたが、読む方も大変です。
ドイツでは、ミュンヘン市内の保育園、幼稚園を4か所、お隣のグラスブルン市の総合施設と保育園を2か所、郊外の幼児の宿泊施設を1か所の計7か所の視察をしました。
どの施設にも共通して言えることは、乳幼児期の教育に関してのベースがどこも一緒であるということ。
子どもの発達を軸に、どのような力を乳幼児期に身に付けるべきかがしっかりと理念としてあります。
そこが土台ですから、よく日本で見られる、園長や主任、クラス担任の情緒的な感情で子どもを管理するという手法は一切ありません。
ベースになるべきものが、しっかりとした科学的根拠を基にしてあります。
かつ、年齢ではなく、個々の子どもの発達に応じて、という点でも一緒です。
ドイツでは、近年の若者の科学離れが課題となっていて、科学力を高めるような環境も設定されています。
また、大きな目的の一つに「自立」が掲げられています。
ですから、自立に向けて、子どもたちは、自分の意志をはっきり持ち、伝え、責任を取る、ということを0歳の頃から大切にされます。
一般的に、18歳になれば、一度実家を出る風習もあるようです。
自立に関しては、日本でも課題の一つと言えます。
過干渉や共依存など、子どもを一人の人間として育てるのではなく、教え込む入れ物であり大人の所有物という考え方が強い日本では、なかなか受け入れられにくい考えですね。
そのあたりもすごく情緒的ですね。
歴史をたどれば日本においては、子どもは労働力であり、家を維持していくためには、丁稚奉公や女中に売り出していくのもやむなし、という風潮が当然でした。
その頃の風潮がまだ残っているのでしょうね。
ただ、現在では、ユニセフが提示している国際条約である「子どもの権利条約」に見られるように、子どもにもちゃんと人権があるということが先進国では当たり前になっています。
日本も先進国のひとつであると私は認識していましたが、おかしいですね。
教育においては、先進国ではないようです。