ダイバーシティ(diversity)とは「多様性」という意味です。
現在、日本でも、多くの企業が多様性問題の啓蒙活動や、多様性の推進に取り組んでます。
つまり、日本が抱える大きな課題のひとつであると言い換えることができます。
日本という国は、「同質」を重んじる文化です。要するに、「みんな同じ」でないといけない文化が根強いのですね。
日本語の「違う」という言葉には、different(異なる)の意味とwrong(正しくない)の両方の意味があって、「異なるのは悪いことだ」という価値観が根底にあるようです。
と言うことは、様々な価値観や種々雑多なものを受け入れるという「ダイバーシティ」を、日本人が真に理解、賛同し、推進するのは簡単ではないのでしょう。
しかし、欧米をはじめとして、世界の先進国においては、今日では、ダイバーシティを道徳や倫理からの視点だけでなく「企業戦略の一環」と考えています。
つまり、「多様な人材を取り込み、その人材が実力を十二分に発揮できて、正当な評価を受ける」という企業文化を構築することが、経営上の優先課題になっているのです。
ところが、日本においては、少子化に伴う労働人口の減少に直面しているにもかかわらず、この「ダイバーシティ」を理解し、賛同し、推進することについていけていない企業があまりにも多く存在します。
直面している問題が目の前に存在しているにも関わらず、です。
人材を多様化するのは待ったなしの課題といえるのですが・・・。
慶応義塾大学の高橋俊介教授は、日本企業が直面するダイバーシティを次のように非常にシンプルにレベル分けしています。
・ 多様性ゼロ⇒新卒男子だけの採用
・ 多様性の初歩⇒中途採用
・ 多様性の中級⇒女性の活用
・ 多様性の上級⇒外国人の活用
「女性や外国人を問わず、実力のある人材が最大限の力を発揮するような環境を提供し、組織の求心力を高める努力を怠っている企業は、将来の存続が危ういといって過言ではない」とのこと。
これらは、何も、「企業」に限って言えることではないと思います。
日本が世界の中で生きて行く上で、これらの意識なしにはもう「先進国」であることは難しくなってくるのではないかと思っています。
年々下がる一方のGDPやGNPを見れば、一目瞭然です。
確かに変わることに対しての不安や心配などは、誰もが抱える感情です。
しかし、「違うことがいけないこと」だとする日本の文化は、現代にはもうそぐわなくなってきているのではないでしょうか。
今後、世界の多様性は日に日に増して行くものだと思います。
これからの世の中を、今の子ども達は生き抜いていかないといけません。
そのためにも、多様性を常日頃から受容できるのとそうでないのとでは、おとなになったときに、その子ども達の生きる道筋が大きく変わってくる気がしてなりません。